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SPECIAL COLUMN

夏バテ髪を防ぐ暮らし方|睡眠・食事・紫外線から髪を守る7月の習慣

2026.07.14    コラム

夏、髪も「バテる」って知っていますか?

7月に入ってから、「なんだか髪がまとまらない」「頭皮がベタつくのに、毛先はパサパサ」というお声を、サロンでも本当によく聞くようになりました。カラーやトリートメントを変えたわけでもないのに、なぜか調子が出ない。実はそれ、髪そのものより「暮らし方」が原因になっていることが少なくありません。夏は紫外線・汗・冷房・寝不足・食欲の低下が一度に重なる季節。体が夏バテするように、髪と頭皮も静かにバテていきます。今日は、サロンでのケアではなく、毎日の生活の中でできることに絞ってお伝えします。

髪と頭皮は、体調の鏡

髪は、体の中でも「生命維持の優先順位が低い」組織です。栄養や血流が足りなくなったとき、体はまず心臓や脳といった生きるために必要な場所に資源を回します。つまり、睡眠が削られたり、食事が偏ったりしたとき、そのしわ寄せが最初に出やすいのが髪なのです。夏に髪の調子が落ちるのは、決して気のせいではありません。頭皮も同じで、汗や皮脂の分泌が増える一方で、冷房による乾燥と血行不良が同時に起きています。「脂っぽいのに乾いている」という一見矛盾した状態は、夏の頭皮ではごく普通に起こります。

7月に増える「なんとなく不調」のサイン

シャンプー時の抜け毛が少し増えた、夕方になると根元がぺたんとする、分け目の頭皮が赤っぽい、いつものスタイリング剤が効かない——こうした小さな変化は、夏バテ髪の初期サインです。ひとつひとつは大したことに見えないので、多くの方が「梅雨だから」「暑いから」と流してしまいます。けれど、この時期に整えておくかどうかで、秋の抜け毛の量がはっきり変わります。夏に受けたダメージは、2〜3か月遅れて秋に現れる。これは私たちが毎年、お客様の髪を触りながら実感していることです。

紫外線から髪を守る、暮らしの中の3つの工夫

夏の髪にとって、いちばん大きな負担は紫外線です。日焼け止めは顔や腕には塗るのに、髪と頭皮はほとんど無防備、という方が本当に多い。けれど頭は体の中でいちばん高い位置にあり、太陽にもっとも近い場所です。ここを守るかどうかで、夏の終わりの髪の手ざわりは驚くほど変わります。

髪は肌の3倍以上、紫外線を浴びている

頭頂部は、顔と比べて数倍の紫外線を浴びると言われています。紫外線は髪のキューティクルを傷つけ、内部のタンパク質やメラニンを分解します。結果として起こるのが、パサつき・ゴワつき・色抜け。せっかく入れたカラーが夏だけ早く抜ける、と感じるのはこのためです。さらに頭皮では、紫外線が皮脂を酸化させ、においやかゆみ、赤みの原因になります。頭皮は「顔の皮膚と地続き」ですから、頭皮が硬くなれば、フェイスラインのたるみにもつながっていきます。守る理由は、髪のためだけではないのです。

朝の3分でできるUV対策

まずおすすめしたいのが、髪用のUVスプレーです。乾いた髪に、20cmほど離して全体に軽くひと吹き。分け目や頭頂部は忘れがちなので、手ぐしで分け目を少しずらしながらかけると均一に届きます。次に、洗い流さないトリートメントを毛先中心に。オイルタイプは表面に膜をつくり、紫外線と乾燥の両方から守ってくれます。そして最強なのは、やはり帽子と日傘です。通気性のよい麦わら帽子なら、頭皮の蒸れも防げます。ポイントは「完璧を目指さないこと」。3つ全部やる必要はありません。今日はスプレーだけ、明日は帽子だけ。続くやり方がいちばん効きます。

浴びてしまった日の「夜の巻き返し」

日中どうしても浴びてしまった日は、その夜のケアで取り返せます。まずはぬるま湯でしっかり予洗いし、酸化した皮脂と汗を落とす。シャンプーは泡立ててから頭皮につけ、指の腹で優しく動かします。そのあと、トリートメントは毛先から中間へ。頭皮につける必要はありません。そして仕上げに、髪を完全に乾かすこと。濡れたまま眠るのは、夏の髪にとっていちばんの追い打ちです。ドライヤーの前に洗い流さないトリートメントを薄くつけておくと、熱からも守れて一石二鳥です。

睡眠と食事——内側から髪を育てる習慣

外からのケアと同じくらい、いえ、それ以上に効いてくるのが内側の習慣です。とくに夏は、暑さで寝つきが悪くなり、食欲が落ちて食事が偏りがち。この2つが同時に崩れると、髪は目に見えて元気をなくします。難しいことはしなくて大丈夫。ほんの少しだけ、優先順位を上げてみてください。

髪が育つのは、眠っている間

髪の毛をつくる毛母細胞は、睡眠中に活発に分裂します。とくに眠り始めの深い眠りの時間帯は、成長ホルモンが多く分泌される大切な時間です。ここが浅いと、髪は細く、弱く育ちます。夏の寝苦しさで睡眠の質が落ちると、その影響は数か月後の髪の太さに出てきます。エアコンは切らずに、設定温度を高めにして朝までつけたままにする。寝る1時間前にスマホを手放し、照明を落とす。枕元に扇風機の風を直接当てない。どれも小さなことですが、髪にとっては大きな違いになります。

夏に不足しがちな栄養と、コンビニでも整う組み合わせ

髪の主成分はケラチンというタンパク質です。そして、そのタンパク質を髪の形に組み立てるのに欠かせないのが、亜鉛・鉄・ビタミンB群。夏はそうめんや冷たい麺類が増え、糖質に偏りやすく、この3つがごっそり足りなくなります。忙しい日でも、コンビニならサラダチキンとゆで卵、納豆巻き、無調整豆乳あたりを組み合わせればタンパク質は確保できます。亜鉛は牡蠣・牛赤身・ナッツ類、鉄はレバーや小松菜、ビタミンB群は豚肉や玄米に多く含まれます。完璧な食事ではなく、「今日はタンパク質を1品足す」くらいの気持ちで十分です。

冷たい飲み物と「頭皮の冷え」

意外に見落とされているのが、体の冷えです。冷たい飲み物ばかりを摂り、冷房の効いた部屋で長時間過ごすと、体は末端の血流を絞ります。頭皮も「末端」です。血流が落ちれば、髪に届く栄養も減る。夏なのに頭皮を触るとひんやり硬い、という方は少なくありません。常温の水や白湯を1日のどこかで挟む、湯船に5分でも浸かる、シャワーの前に首の後ろを温める——こうした「温める習慣」は、地味ですが確実に頭皮の状態を変えていきます。

汗の季節の頭皮ケア、やりすぎない整え方

「ベタつくから、1日2回洗っています」——夏になると必ず聞くお話です。気持ちはとてもよく分かります。けれど、その熱心さが逆効果になっていることが、かなり多いのです。

洗いすぎが招く「乾燥→ベタつき」のループ

頭皮の皮脂は、本来は頭皮を守るためのバリアです。洗いすぎて皮脂を落としきると、頭皮は「守りが足りない」と判断して、さらに皮脂を出そうとします。つまり、洗えば洗うほどベタつく、という悪循環が生まれる。しかも、必要な皮脂が奪われた頭皮は乾燥し、かゆみやフケ、赤みも出やすくなります。夏の頭皮トラブルの多くは、汚れではなく「洗いすぎ」から始まっています。

1日1回、夜のシャンプーで十分な理由

おすすめは、夜に1回だけ、ていねいに洗うこと。ポイントは「予洗い」です。シャンプーをつける前に、38度前後のぬるま湯で1〜2分しっかりすすぐ。これだけで汗や汚れの7割ほどは落ちると言われています。そのうえで、しっかり泡立てたシャンプーを頭皮につけ、指の腹で小さく円を描くように動かす。爪を立てない、ゴシゴシこすらない。すすぎは洗う時間の倍かけるつもりで。どうしても朝のベタつきが気になる日は、シャンプーを使わずぬるま湯だけで流す「湯シャン」や、頭皮用のミストで整えるだけでも十分すっきりします。日中は、頭皮用の化粧水やミストで整えるのも心地よい方法です。

サロンでも、7月から8月にかけては「頭皮を休ませる」提案が増えます。たとえばヘッドスパは、汚れを落とすためだけのものではありません。硬くなった頭皮をゆるめ、血流を戻し、こわばった呼吸を深くする時間です。ご自宅でも、シャンプー前に指の腹で頭皮を軽く動かすだけで、驚くほど頭が軽くなります。耳の上、後頭部、生え際。この3か所を各10秒ずつ、円を描くように押し上げる。テレビを見ながらでも構いません。「頑張るケア」ではなく「ゆるめるケア」を選ぶこと。夏の頭皮に必要なのは、足すことよりも、休ませることだと感じています。

もうひとつ、夏に増えるのが「濡れたまま寝る」問題です。暑いからドライヤーを使いたくない、という気持ちは痛いほど分かります。けれど濡れた髪はキューティクルが開いたままで、摩擦にとても弱い状態。枕の上で擦れるだけで、表面が削れていきます。さらに、湿った頭皮は雑菌が増えやすく、においやかゆみの原因にも。冷風モードを使いながらでいいので、根元から先に、しっかり乾かしてから眠ってください。「乾かす」は、夏のヘアケアで最も費用対効果の高い習慣です。

7月の暮らしに落とし込む、髪のためのルーティン

ここまでお伝えしてきたことを、実際の1週間にどう置いていくか。ここがいちばん大事なところです。知識としては知っていても、暮らしの中に居場所がないケアは続きません。逆に言えば、置き場所さえ決まれば、多くの方が驚くほど自然に続けられます。難しいことは何ひとつありません。今ある習慣に、少しだけくっつけてあげるだけです。

平日は「守る」、休日は「戻す」で考える

毎日フルでケアをしようとすると、ほとんどの方が3日で疲れてしまいます。おすすめは、平日と休日で役割を分けること。平日の朝は、UVスプレーをひと吹きして、洗い流さないトリートメントを毛先に。それだけで十分です。夜はぬるま湯の予洗いをていねいにして、しっかり乾かしてから眠る。やることを増やさず、ひとつずつの精度を上げていきます。そして休日は「戻す日」。時間のある日にトリートメントを1回足す、湯船にゆっくり浸かる、頭皮を10分ゆるめる。守る日と戻す日が交互にくるだけで、髪は驚くほど落ち着いてきます。がんばる日をあらかじめ決めておくと、がんばらない日に罪悪感がなくなる。これは、続けるうえでとても大切なことです。

忙しい人ほど効く、3分の頭皮マッサージ

頭皮は、こっているという自覚が持ちにくい場所です。けれど、パソコンやスマホを見ている時間が長い方の頭皮は、たいてい硬くなっています。やり方はとても簡単です。指の腹を頭皮に「置いて」、皮膚ごと小さく動かす。滑らせるのではなく、動かす。生え際から頭頂部へ、耳の上から頭頂部へ、後頭部から上へ。この3方向を、それぞれ30秒ずつ。合計3分もあれば終わります。おすすめのタイミングは、シャンプー前の乾いた頭皮か、お風呂上がりの温まったとき。血流が戻ると、その場で頭が軽くなるのを感じられるはずです。夏の頭皮に必要なのは、足すことよりも、ゆるめること。ここは何度でもお伝えしたいところです。

髪が喜ぶ、夏の「1日の水分リズム」

汗をかく季節は、体の水分が想像以上に減っています。体が水分不足になると、まず後回しにされるのが髪への供給です。とはいえ、一度に大量に飲んでも吸収しきれません。起きてすぐにコップ1杯、午前と午後にそれぞれ1杯ずつ、入浴の前後に1杯ずつ。この「こまめに、常温で」というリズムが、いちばん体に届きます。冷たい飲み物は胃腸を冷やし、めぐりを鈍らせてしまうので、氷入りは1日1〜2杯までを目安に。髪のためというより、体調のため。結果として、髪はその恩恵をいちばん最後に、でも確実に受け取ります。

帰宅後10分で、その日のうちにリセットする

外から帰ってきたとき、髪と頭皮には汗・皮脂・紫外線のダメージ・ほこりが重なっています。これを翌朝まで置いておくと酸化が進み、においやかゆみ、色落ちの原因になります。理想は、帰宅後できるだけ早くシャワーへ。難しい日は、頭皮用のミストやシートで表面だけでも整えてください。それから、髪をゴムで強く結んだままにしないこと。結び目の摩擦は、夏の弱った髪にとって想像以上の負担になります。家に帰ったら、まず結び目をほどく。たったそれだけでも、切れ毛はぐっと減っていきます。

よくいただくご質問

Q. 汗をかいた日は、朝もシャンプーしたほうがいいですか?

A. 基本は夜1回で十分です。どうしても朝のベタつきが気になる日は、シャンプー剤を使わず、ぬるま湯だけで流す「湯シャン」にしてみてください。皮脂を落としすぎないので、日中の過剰な分泌を招きにくくなります。運動をした日や、汗を大量にかいた日だけ、朝も軽く洗う。そんなふうに、日によって使い分けるのがいちばん現実的です。

Q. 夏に白髪染めやカラーをすると、傷みませんか?

A. 施術そのものよりも、施術後の過ごし方で差が出ます。夏は紫外線と汗で色が抜けやすいので、カラー後1週間はとくにUV対策と乾かし方をていねいに。当日のシャンプーを控える、洗い流さないトリートメントを毎日つける。この2つを守っていただくだけで、色持ちは目に見えて変わります。ご不安があるときは、担当のスタイリストに遠慮なくご相談ください。

Q. 抜け毛が増えた気がします。受診の目安はありますか?

A. 夏から秋にかけて抜け毛が一時的に増えるのは、多くの方に起こる自然な変化です。ただ、地肌が透けて見えるほど量が減った、頭皮に強いかゆみや痛み、赤みが続く、円形に抜けている——こうした場合は、セルフケアの範囲を超えています。早めに皮膚科を受診してください。迷ったときは、まずサロンで頭皮を見せていただくのでも構いません。

まとめ

夏バテ髪を防ぐのに、特別なことは要りません。紫外線から少しだけ守る。眠りを少しだけ大事にする。タンパク質を1品足す。洗いすぎない。この4つを、できる日にできるだけ。髪は、暮らしの積み重ねがそのまま出る場所です。今日ひとつ変えたことは、秋のあなたの髪がちゃんと覚えていてくれます。なんでもない毎日の中に、小さな「整える時間」を。それがいちばんの近道だと、私たちは思っています。

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参考文献

📚 日本毛髪科学協会
📚 厚生労働省 理容師美容師試験研修センター

⚠️ 本記事の内容は美容・ケアの一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的診断・治療を代替するものではありません。症状が改善しない場合や気になる変化がある場合は、皮膚科等の専門医への相談をおすすめします。

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