ヘアオイルの正しい使い方|美容師が教える効果を引き出す塗り方とタイミング
2026.05.11 ヘアケア
「ヘアオイル、使ってるけどなんかベタつく」「つけてるのにパサパサする」——そんな声を、サロンでもよくお聞きします。実は、ヘアオイルは”つけるだけ”では効果を発揮しきれないアイテム。塗る量・タイミング・順番をほんの少し変えるだけで、仕上がりが驚くほど変わります。この記事では、現役美容師の視点から、ヘアオイルの効果を最大限に引き出すコツをお伝えします。
この記事の執筆者
株式会社UNBIRTHDAY 広報担当/現役美容師。美容師歴8年、ヘアケア・頭皮ケア・カラーが得意領域。神戸・三宮〜北野エリア4店舗(UNBIRTHDAY/CHIKI/if/SPACIUM)で日々お客様の髪と向き合っています。
ヘアオイルの役割を正しく理解する|なぜ”つけ方”で差がつくのか
ヘアオイルは、ドラッグストアでも美容室でも手に入る身近なアイテムです。けれど「とりあえずつけておけばいい」と思っている方が、実は少なくありません。私自身、1日に10人以上のお客様の髪に触れていますが、ヘアオイルを使っているのに髪がまとまらないという方が3〜4割はいらっしゃいます。
それはなぜか。理由はシンプルで、ヘアオイルの”仕組み”を知らずに使っているからです。ヘアオイルの主な役割は3つあります。「表面のコーティング」「水分の蒸発を防ぐ保湿」「摩擦やドライヤーの熱からの保護」。この3つの機能は、塗る量とタイミングによって発揮度がまったく異なります。
ヘアオイルの3つの機能と仕組み
まず「表面のコーティング」について。髪の表面にはキューティクルという薄い層が重なっています。キューティクルが整っていると光を反射してツヤが出ますが、ダメージや乾燥で開いてしまうとパサパサに見えてしまいます。ヘアオイルはこのキューティクルの表面を薄い油膜で覆い、光の反射を均一にしてくれます。
次に「保湿」。髪の内部には水分が含まれていますが、乾燥した環境やドライヤーの熱で蒸発しやすい状態になります。オイルの油膜が蓋の役割を果たし、内部の水分を閉じ込めてくれるのです。ただし、これは髪に水分がある状態でつけてこそ意味があります。完全に乾ききった髪にオイルだけ塗っても、閉じ込める水分がないので効果は半減します。
最後に「保護」。ドライヤーやヘアアイロンの熱、ブラッシングの摩擦、紫外線——日常には髪へのダメージ要因がたくさんあります。オイルの膜がバリアとなり、こうした外的刺激からキューティクルを守ってくれます。
よくある誤解:「たっぷりつければ効く」は逆効果
サロンでよくある相談のひとつが「ヘアオイルをしっかりつけているのにベタつく」というもの。私もアシスタント時代、自分の髪で同じ失敗をしたことがあります。乾燥が気になってオイルを多めにつけたら、夕方には髪が束になってペタンとしてしまいました。
原因は単純で、つけすぎです。ヘアオイルは少量で十分な効果を発揮します。ミディアムヘアなら1〜2プッシュ、ロングでも2〜3プッシュが目安です。多くつければ効果が上がるわけではなく、むしろ余分なオイルが重さやベタつきの原因になります。当店のお客様でも、量を半分に減らしただけで「髪が軽くなった」と喜ばれる方がとても多いです。
ヘアオイルの効果を最大限に引き出す正しい塗り方
ここからは、実際にサロンでお客様にもお伝えしている「効果的なヘアオイルの塗り方」をステップごとにご紹介します。ちょっとした手順の違いで、仕上がりのツヤ感やまとまりが大きく変わります。
ステップ1:手のひらでしっかり温めて広げる
オイルを手に取ったら、すぐに髪につけないでください。まず両手のひらをこすり合わせるようにして、オイルを薄く均一に広げます。指の間にもしっかり行き渡らせるのがポイントです。こうすることで、髪全体にムラなく薄い膜をつくれます。
冬場や冷房の効いた部屋ではオイルの粘度が上がっていることがあります。手の温度でしっかり温めてから塗布することで、髪への馴染みがぐっとよくなります。これだけで仕上がりに差が出るので、ぜひ習慣にしてみてください。
ステップ2:毛先→中間→表面の順番で塗布する
ヘアオイルを塗る順番は「毛先→中間→表面」が基本です。毛先はもっともダメージを受けやすく、乾燥しやすい部分。まず毛先にしっかりなじませてから、中間部分へと手ぐしを通すように広げていきます。
最後に、手に残ったわずかなオイルで表面をなでるように整えます。表面にたくさんつけるとベタつきの原因になるので、あくまで「残りを使う」程度で大丈夫です。根元付近は皮脂が多い部分なので、基本的にオイルはつけません。特に細毛の方やボリュームが出にくい方は、根元を避けることでふんわり感をキープできます。
ステップ3:コーミングで均一になじませる
手ぐしだけでは、どうしても塗りムラが残ります。オイルをつけたあとに、目の粗いコーム(くし)でやさしくとかすと、全体に均一に行き渡ります。当店でも仕上げの際にこの工程を入れていますが、お客様に「自宅でもこの一手間を加えてみてください」とお伝えすると、次にいらしたときに「まとまりが全然違いました」とおっしゃる方が本当に多いです。
目の細かいコームだと髪に負担がかかることがあるので、なるべく目の粗いタイプを選んでくださいね。濡れた状態で使う場合は、タングルティーザーのような引っかかりにくいブラシもおすすめです。
やってはいけないNG習慣
ここで、私たちがサロンで見かける「もったいないオイルの使い方」をいくつかご紹介します。
ひとつめは「乾いた髪にオイルだけつける」こと。先ほどお伝えしたように、オイルは水分を閉じ込める蓋の役割があるので、まったく水分のない状態でつけても潤い効果は十分に得られません。乾いた状態で使いたい場合は、ミスト化粧水などで軽く水分を補ってからオイルを重ねると効果的です。
ふたつめは「頭頂部や根元にたっぷりつける」こと。根元は皮脂腺が近く、もともと油分が多い場所です。ここにオイルを足すと、夕方にはベタッとした印象になってしまいます。特に「トップがペタンとなりやすい」とお悩みの方は、根元へのオイルは控えめにするのが鉄則です。
みっつめは「何度も重ねづけする」こと。朝つけたオイルの上にさらにオイルを重ねると、油膜が厚くなりすぎてベタつきや不潔感に見えてしまうことがあります。日中にパサつきが気になるときは、オイルではなくヘアミストで水分を補う方が自然にまとまります。
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タイミング別・ヘアオイルの使い分け方
ヘアオイルは「いつ使うか」によっても効果が変わります。お風呂上がり・朝のスタイリング・日中のお直し、それぞれのシーンに合った使い方を知っておくと、1本のオイルで何役もこなせるようになります。
お風呂上がり(アウトバスケア)が最重要タイミング
ヘアオイルの効果がもっとも発揮されるのは、シャンプー後のタオルドライ直後です。髪に適度な水分が残っている状態でオイルを塗布すると、水分を閉じ込めながら表面をコーティングできます。
タオルドライのコツは「ゴシゴシこすらず、タオルで挟んでポンポンと押さえる」こと。キューティクルは濡れている状態で開きやすく、摩擦でダメージを受けやすい状態です。やさしく水分を取ったあとに、すぐオイルをなじませてからドライヤーで乾かしましょう。
当店でお客様にお伝えすると「え、ドライヤーの前なんですか?」と驚かれることが多いのですが、これが正解です。ドライヤーの熱から髪を守る役割もあるので、乾かしたあとではなく、乾かす前につけるのがポイントです。私が担当するお客様で、この順番を変えただけで「翌朝の髪のまとまりが全然違う」とおっしゃる方が何人もいらっしゃいました。
朝のスタイリング時の使い方
朝のスタイリング時にもヘアオイルは活躍します。ただし、お風呂上がりと同じ量をつけてしまうと重たくなることがあるので、量を少なめに調整してください。ミディアムヘアなら半プッシュから1プッシュ程度で十分です。
朝のヘアオイルの目的は「ツヤ出し」と「紫外線保護」がメインです。5月に入ると紫外線量がぐっと増えるので、外出前のオイルは紫外線防御の意味でもおすすめです。手のひらに薄く広げて、表面をなでるようにつけるだけで、自然なツヤと軽い保護膜をつくれます。
ヘアアイロンやコテを使う方は、アイロン前にオイルをつけると熱保護になります。ただし、つけすぎるとアイロンの熱でオイルが焼けてダメージになることもあるので、ごく少量を中間〜毛先に薄くなじませる程度にしましょう。
日中のお直し:オイルよりミストを選ぶ
日中に髪がパサついたとき、「オイルで直そう」と思いがちですが、実は日中のお直しにはヘアミストの方が向いています。朝つけたオイルの上にさらにオイルを重ねると、油膜が厚くなりすぎて重たくなります。
ミストで水分を補い、その上からごく少量のオイルで蓋をする——この二段階ケアが日中のベストな方法です。ポーチに小さなヘアミストを入れておくと、いつでもさっとケアできます。当店でもお客様に「ミスト+オイルのセット持ち」をおすすめしていて、取り入れた方から好評をいただいています。
髪質別・ヘアオイルの選び方と使い方のコツ
ヘアオイルと一口に言っても、テクスチャーや配合成分はさまざまです。自分の髪質に合ったオイルを選ぶことで、仕上がりの満足度がさらに上がります。ここでは、私たちUNBIRTHDAYでお客様にアドバイスしている髪質別の選び方をお伝えします。
細毛・軟毛さんはライトな質感を選ぶ
髪が細い方や柔らかい方は、重たいオイルをつけるとペタンとしやすくなります。サラッとしたテクスチャーの軽いオイルを選びましょう。植物性のスクワランやホホバオイルベースのものは比較的軽い仕上がりになります。
量も通常より少なめに。半プッシュずつ足していく方法がおすすめです。「足りないかな?」くらいがちょうどいい量です。当店にいらっしゃる細毛のお客様の中には、「思い切って量を減らしたら逆にまとまるようになった」という方がたくさんいらっしゃいます。
太毛・硬毛さんはしっとり重めを選ぶ
髪が太くて硬い方は、軽いオイルだと物足りなく感じることがあります。やや重めのテクスチャーで、シリコン配合のヘアオイルはしっかりコーティングしてくれるので、広がりやすい髪をまとめてくれます。
アルガンオイルやツバキオイルなど、粘度が高めの天然オイルベースのものも相性がよいです。特にこれからの梅雨時期は湿気で広がりやすくなるので、少し重めのオイルでしっかりコーティングしてあげると、湿気を弾いてスタイルが崩れにくくなります。
ダメージ毛・カラー後の髪にはオイルケアが特に大切
カラーやパーマをしている髪は、キューティクルが開きやすい状態です。オイルで表面を覆ってあげることで、色落ちを遅らせたり、パーマのカールを長持ちさせたりする効果が期待できます。
当店ではカラー後のお客様に「施術後1週間は特に丁寧にオイルケアをしてくださいね」とお伝えしています。カラー直後はキューティクルが特に不安定な状態なので、このタイミングのオイルケアが色持ちに大きく影響するのです。実際、オイルケアを丁寧にされているお客様とそうでない方では、次のサロン来店時の色の残り具合に明らかな差が出ています。
サロンでのヘアオイル活用事例
先日、30代後半のお客様Aさんがカウンセリングで「ヘアオイルを毎日つけているのに、毛先がパサパサなんです」とおっしゃいました。詳しくお話を伺うと、お風呂から出てしばらくしてからドライヤーをかけ、乾かしたあとにオイルを塗っていたそうです。
そこで、タオルドライ後すぐにオイルをなじませてからドライヤーで乾かす方法をお伝えしました。さらに、オイルの量を2プッシュから1プッシュに減らし、手のひらでしっかり広げてから毛先中心につけることをアドバイスしました。2週間後にいらしたAさんは「同じオイルなのに、髪が全然違います」と驚かれていました。
このように、使い方を変えるだけで同じオイルの効果が劇的に変わることがあります。高いオイルに買い替える前に、まずは使い方を見直してみるのもひとつの方法です。
ヘアオイルに関するよくある質問(FAQ)
Q1. ヘアオイルは毎日使っても大丈夫ですか?
はい、毎日使って問題ありません。むしろ、毎日のシャンプー・ドライヤーによるダメージから髪を守るためには、日常的なオイルケアが効果的です。ただし、量に注意してください。毎日つけるからこそ、少量ずつ丁寧に塗布する習慣が大切です。シャンプーで毎日リセットされるので、蓄積によるベタつきの心配は基本的にありません。
Q2. シリコン入りのヘアオイルは髪に悪いのですか?
「シリコン=悪いもの」というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。シリコンは髪の表面をコーティングして手触りをよくし、熱や摩擦からも保護してくれる成分です。現在のシャンプーはシリコンを洗い流す力が十分にあるので、蓄積の心配も少ないです。ただし、ノンシリコンの自然派オイルにも良さがあるので、好みや髪質で選んでいただければ大丈夫です。
Q3. ヘアオイルとヘアミルクはどう使い分けますか?
ヘアミルクは水分ベースで内部に浸透しやすく、ヘアオイルは油分ベースで表面をコーティングする役割が強いです。乾燥がひどいときはミルクで内部に水分を補給してから、オイルで蓋をする「ダブル使い」がおすすめです。軽い仕上がりが好みならミルクだけ、ツヤやまとまりを重視するならオイルを、と使い分けてみてください。
Q4. ヘアオイルに使用期限はありますか?
開封後のヘアオイルは、一般的に半年〜1年以内に使い切るのが理想です。天然オイル成分は酸化しやすいため、開封後は直射日光を避けて保管してください。色が変わったり、においが変化した場合は劣化のサインです。もったいないからと古いオイルを使い続けると、かえって髪に負担をかけてしまうこともあるので注意してくださいね。
Q5. メンズでもヘアオイルは使えますか?
もちろんです。性別は関係なく、髪のケアにヘアオイルはおすすめです。男性はショートヘアが多いので、量はごく少量(半プッシュ以下)にして、毛先を中心になじませてください。パーマスタイルの方は、オイルがカールの束感を出してくれるので、スタイリング剤代わりにも使えます。
まとめ|正しい使い方で、いつものオイルがもっと味方になる
ヘアオイルは、正しい使い方を知るだけで効果が大きく変わるアイテムです。今回お伝えしたポイントをおさらいします。
まず、オイルは手のひらでしっかり温めてから、毛先→中間→表面の順番で塗布すること。量は少なめからスタートして、足りなければ少しずつ追加する。お風呂上がりのタオルドライ後が最も効果的なタイミングで、ドライヤーの「前」につけるのが正解です。
そして、自分の髪質に合ったテクスチャーのオイルを選ぶこと。細毛さんは軽めを、太毛さんはしっかりめを。日中のお直しにはミストとの併用が効果的です。
特別なアイテムを買い足さなくても、今お手元にあるオイルの使い方を見直すだけで、髪の仕上がりは変わります。毎日のなんでもない時間の中で、ほんの少しだけ丁寧にケアしてみる。そんな小さな積み重ねが、あなたの髪を内側から整えてくれるはずです。
もし使い方に迷ったら、次のサロンでの来店時に気軽にご相談くださいね。あなたの髪質やライフスタイルに合わせた、ぴったりの使い方を一緒に見つけていきましょう。
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参考文献・出典
- 日本化粧品技術者会(SCCJ)「化粧品用語集・ヘアケア」 https://www.sccj-ifscc.com/
- 日本毛髪科学協会「毛髪の構造と損傷」 https://www.jhsa.jp/
- 資生堂「髪のダメージの原因と対策」ビューティーコラム https://www.shiseido.co.jp/beauty/
- 花王「ヘアケアの基本」ヘアケアサイト https://www.kao.co.jp/haircare/
⚠️ 本記事の内容は美容・ケアの一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的診断・治療を代替するものではありません。症状が改善しない場合や気になる変化がある場合は、皮膚科等の専門医への相談をおすすめします。
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執筆:UNBIRTHDAY 広報担当
株式会社UNBIRTHDAYに勤める現役美容師兼広報担当。美容師歴8年。得意領域はヘアケア・頭皮ケア・カラー。
神戸・三宮〜北野エリアの4店舗(UNBIRTHDAY/CHIKI/if/SPACIUM・スタッフ16名)で日々お客様の髪と向き合いながら、ポッドキャスト「あつまれ!ふかふか頭皮さん」の制作にも携わっています。
株式会社UNBIRTHDAY(創業2015年・神戸市中央区)|公式サイト

